金型温調機 製品詳細

金型温調機MTCⅡは、タンク容量、ヒーター容量、給水量のバランスを重視し、かつ給水時の温度ムラを抑える事を重視した独自の構造によって温度を絶妙にコントロールします。ヒーターで制御する高温域はもちろん、給水で制御する中低温域でも±0.3℃(注1)の温度安定性を実現しました。

冷却制御時に限りますが、温度安定性が悪いと給水によって一旦温度が大きく下がります。そしてヒーターONによって温度を上昇させるのですが、下がりすぎなければ本来必要のない電力を消費している事になります。使用状況によってはこれが無視できないくらい多くなります。(注2)つまり、安定した温度コントロールは無駄な電気代の節約につながりますので、成形品の品質を安定させるだけでなく電力消費を抑える意味でも冷却制御時の温度安定性は重要であると考えます。

成形中に設定温度を下げる場合も、設定より下がる温度が極小である為、その間の予期せぬ成形不良の発生も大幅に削減できます。

注1:当社測定値 使用条件によって悪化する場合があります。適応能力を超えた場合、供給水温・水圧が極端に変動する場合は程度に比例して温度安定性が悪化します。

注2:成形現場で目撃した例です。一般的なタンクレス直接冷却式金型温調機6kw機で60℃設定使用時、冷却水ONで56℃付近まで水温が下がり、ヒーターONで60℃まで温度を上げすぐに冷却水ONで再び56℃付近まで下がるを繰り返し、運転時間の半分以上ヒーターがONになっていました。極端なケースですが、仮に6kwのヒーターが8時間中4時間ONだとすると、1日24kwhの電力を無駄に消費している事になります。もちろん冷却水もその分無駄に消費しています。

金型温調機MTCⅡに使用しているポンプはグルンドフォス社製、その他は国内大手メーカー製の信頼性の高い部品のみ使用し、合理的な構造に設計する事で、性能に直接関わらない部品を必要最小限に抑え、長寿命を目指しました。

ポンプは内部主要部材がステンレス製で、バイパス回路による最小流量確保や、メカニカルシールの漏水がタンク内に戻る構造などの対策が施してあります。

ヒーターは、寿命に密接な関係のあるワット密度をできるだけ低く抑えた設計です。また、それによって発熱部の面積が大きくなり、より均一に媒体を加熱しますので、温度精度の点でも有利です。

温度制御はPID制御でヒーターリレーや冷却用電磁弁リレーはもちろんSSRを使用しています。

金型温調機MTCⅡの主要電気部品は前面の扉内に集約され、旧来の機械同様に市販規格電気部品を配線によって組み立てていますので、専用基盤とは違い故障した部品のみ扉を開けて簡単に交換できます。また、市販部品の生産中止などがあった場合でも、代替部品に置き換える事が容易です。修理コストの面では有利です。

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ポンプ、電磁弁、配管部品などもシンプルな構造により、理解し易く掃除や交換も比較的容易です。また、媒体戻りラインは独立したままタンクに戻りかつ背圧もかからない構造ですので、複数のラインを利用する場合にそれぞれのラインに吐出圧力分確実に媒体を流す事ができます。

操作についてもシンプルでわかり易い事を徹底しています。また、給水電磁弁のゴミかみなどが発生した場合には電磁弁ON/OFFスイッチの操作によって回復させたり、設置・移動などで本体を持ち上げる為の取手が付いていたりと、ちょっと便利な金型温調機です。